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バリエーションルートの十二山尾根を使って八ヶ岳南端の前三ツ頭へ行ってきました。
去年編笠山から権現岳を周回したときに気になった、三ツ頭から木戸口公園経由で下るアトノ尾根の東隣にある十二山尾根。
やたら植生が薄いようで、八ヶ岳なのにずいぶん展望のいい尾根で歩いてて楽しそうな見た目なんです。
これは歩いてみたいと調べてみると、通る人はあまりいないものの全くいないわけではなく、大した難所も無さそうということで行ってみました。
ルート:三ツ頭登山口(小荒間交差点)→三味線滝→十二山尾根→前三ツ頭→三ツ頭登山口(ピストン)(CT設定無し)
甲斐駒ヶ岳のモルゲンロート。
この日は平地は晴れ予報ですが、山は徐々に雲が抜けていく予報なので、気長に行きましょう。
(06:58)
三ツ頭登山口標高1271mに到着。
林道の脇に頑張って3台の駐車スペースがあります。
人気のルートは天女山経由のルートなのでそちらは混雑するようですが、こちらは休日でもそんなに混雑しないんじゃないでしょうか。
とはいいつつこの日はもう1台いてびっくり。
(07:51)
しばらく林道を歩いて標高を稼ぎます。
三ツ頭登山口からの登山道は駐車場から少し進んだT字路からすぐアトノ尾根に取り付きますが、十二山尾根へは三味線滝方面へ。
(08:01)
林道を東へ進むと三味線滝方面へ曲がる林道の交差点へ。
更に林道を進むと伐採地から遠く三ツ頭が望めました。
思っていたより雲が厚いですが、先も長いので気軽に進みます。
(08:08)
林道は途中で登山道となり、八ヶ岳横断歩道と合流するところには凍てついた三味線滝。
標高は1550m、林道で結構標高を稼げます。
滝に近づこうとしたとき、不注意で氷に覆われた岩を踏んで転んでしまい。
今回一番危険なゾーンでした(笑)
(08:35)
三味線滝から八ヶ岳横断歩道を東へ、最初の顕著な尾根が十二山尾根(写真左上へ)。
取り付きは全然苦労せずに済むのがありがたや。
(08:50)
緩やかな尾根を進んで標高1700mまで登ると早速開けます。
雰囲気は火山のよう、というか八ヶ岳も火山そのものなのでその通りなのですが。
とはいえ八ヶ岳で火山らしい景色を持つ尾根は僕が歩いた場所には無く、深い針葉樹林に囲まれたイメージとはかけ離れてて。
(09:08)
樹林帯はこんな様子。
積雪は10~20cmほどと少なく、鹿の足跡が縦横無尽にあるので自分のトレースは全然目立ちません。
この積雪でも笹薮になっているようなところはなく、無雪期でも歩けそうでした。
(09:17)
標高1912m地点に向かうところでようやく急坂、アイゼンを履いての登りに。
この地点の上部は斜度がきつく、登りは尾根西側をトラバースしつつ歩きましたが下りは別のルートにしようと思うくらいでした。
で、下りは尾根東側を歩きましたが、大きな岩が張り出していてそれはそれでルート選択が悩ましく。。
十二山尾根、地面が砂なので転がってる石も足の支点にはならずずり落ちてしまい、登りはいいものの下りは気を使いました。
(09:40)
急斜面を登り切ると今度は雪が深くなり。
たまらずワカンを履きますが、場所によっては結局膝まで踏み抜きまくり。
無いよりはマシ……と思いつつ辛抱の歩き。
結果的にこの箇所で雪が深かったのは標高1900m~2000mの一部、ここは我慢して坪足で歩いていいくらいの距離でした。
(10:07)
標高2000mあたりは尾根上が樹林帯、西側が開けていたのでアイゼンに履き替えてそちらを歩いていたら、これまた歩きにくく。
開けた場所を歩くのは魅力的なんですが……結局帰りは尾根上の木々の間をワカンですいすい。
(10:18)
北風が吹いているのですが視界はいまいちなのが残念でした。
(10:26)
アトノ尾根の上にちらっと編笠山が見えてくるように。
あちらの方が天気がいい…?
予報通りだんだんと雲が薄くなってきてはいるんですが、まだまだ。
(10:41)
標高2050m~2200m、完全に雪山の様相に。
積雪は1m以上あるでしょう、またまたワカンに履き替えてラッセル。
しかも吹き溜まりでは腰ラッセル、とんでもなく時間が掛かってしまいましたが焦らず淡々と進むしかありません。。
(11:09)
標高2200m~2300mは十二山尾根の一番いいところ、砂礫の尾根歩き。
ここまで来れば前三ツ頭までは着いたも同然、景色を楽しんで…!
と思いきや、このあたりは風の通り道になっているようで爆風でした(笑)
不思議なくらい尾根に雪が付いてませんもんねえ。
(11:23)
前三ツ頭手前はまた樹林帯の急登、アイゼン履いて最後の登り。
装備の変更が多くて時間を食いますが、バックカントリーを始めてからこの時間にも慣れたような。
(11:42)
厳冬期そのものな景色の広がる前三ツ頭に到着!
正面に見えているのは三ツ頭、標高差は200mほど。
時間があれば三ツ頭までと登り始めは思っていましたが、初見の尾根を下るのに時間の余裕を持っておきたいので今回はここで引き返し。
三ツ頭から見る南八ヶ岳の山々は結構楽しみでした、残念。。
(11:57)
下り始めて日差しが降り注ぐようになり。
行きは爆風だった砂礫の尾根区間の風も止み、景色を堪能しながら下ります。
広がる下界に向かって降りていく十二山尾根、開放感抜群でした。
(12:07)
砂礫のアップ。
植生が無いのにこの尾根が雨水に削られずにいるのは、この砂礫の水の染み込みが早いからなんでしょうか?
(12:17)
行きはラッセルでめちゃくちゃ大変だった区間、下りはワカンを履いてスイスイ!
倍速以上のペースで下っていけます。
アイゼンとワカンの履き替えも1回少なく済み、これが経験の差…!(笑)
(12:27)
標高1900m地点の急坂を悩みつつ下ると、行きとは全然違った見た目に驚き。
雪がだいぶ解けたようで、場所の印象が変わってしまい!
行きに休憩した岩でまた休憩しようと思っていたのですがどこだったかさっぱり分からず、八ヶ岳横断歩道まで下りきっちゃいました。
(13:25)
三味線滝から林道に降りる道、行きは沢沿いルートを選んだので帰りは林間の道を進んだら現役なのかよく分からない笹に覆われた道となってしまい。
結局進んだら登ってきた林道に途中から合流しましたが。。
(14:06)
再び林道の伐採地から晴れの三ツ頭を眺め。
晴れても着雪したままの木々が寒そうな。というか寒かったです(笑)
(14:10)
十二山尾根、見た目通り展望のいい尾根でした。
1900m付近の急斜面以外は尾根上を歩けば歩きにくくなく、前三ツ頭へのアクセスとしてはそんなに悪くないルートでした。
今回は偵察兼ねてだったので前三ツ頭までとなりましたが、次回はぜひ三ツ頭まで歩きたいところです。
それではまたー!
山行時間…6:11
歩行距離…12.01km
消費カロリー…2376kcal
獲得標高…1126m