木々と苔に囲まれた奥秩父 和名倉山~雁坂峠を縦走 1日目

 

5/23

 

埼玉の屋根奥秩父、和名倉山~雁坂峠を縦走してきました。

 

秩父、今まで登ったことある山は金峰山のみ。

せっかく埼玉県民なのに一度も埼玉県内の奥秩父には行ったことがなく。

この間のサイクリングで奥秩父の登山口あたりを通って興味も湧き、行ってみることにしました。

埼玉県民らしく?登山口も下山口も埼玉県なルートです。

 

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 ルート:埼大秩父山寮→二瀬尾根→和名倉山→東仙波→将監小屋(CT9:10)

 

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今回の縦走も自転車を使って縦走です。

翌日の下山口、R140雁坂トンネル手前の出会いの丘にクロスバイクをデポ。

 

さいたまを出発したのは4時20分頃、ここまで下道で2時間30分(めちゃくちゃスムーズ)と考えると奥秩父谷川連峰なんかと比べるとだいぶ近いです。

(06:55)

 

 

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和名倉山の二瀬尾根登山口は三峯神社へ向かう県道沿いにあります。

駐車場は看板が立っているわけではないのですが、登山口の上と下にそれぞれ駐車スペースあり。

さて、埼大秩父山寮の脇からいざ和名倉山へ。

(07:38)

 

 

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まずは吊橋で秩父湖を渡り。

この日は無風だったのでまったく揺れずに渡れましたが、風がある日は結構怖そうな長さ。

駐車場からこの橋まで意外と距離があって、もうちょっと近ければ観光スポットにもなると思うんですが。。

(07:43)

 

 

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橋を渡って突き当りを左折すると二瀬尾根、和名倉山への看板。

ここからいざ標高差1500mの登りのスタート。

 

ネットで散々書かれていることですが、昔はこのルート、道が不明瞭で藪がどうこう…だったようですが、問題なく歩けました。

林業をやっていたころは作業道が錯綜してて分かりにくかったのかもしれませんが、今となっては登山道以外は踏まれておらず、踏み跡に沿って行けば山頂に着いちゃいます。

山と高原地図では点線扱いですが、マイナーな実線ルートレベルです。

(07:49)

 

 

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登り始めは植樹帯でしたが、標高800mくらいで尾根に乗ると植樹林と自然林の境目を歩き。

秩父は標高2000mを越える山々が連なりますが、標高3桁の数字を見ると気が遠い。。

(08:26)

 

 

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今年初のギンリョウソウ

反射板跡地、標高1300mちょっとに着くとしばらくは林業用のトロッコでも通っていたのか、水平道を2kmほど進みます。

途中土砂崩れを巻いたりして上下に動きますがおおむね歩きやすい道でした。

が、今となってはとてもこの道にトロッコが走っていたとは思えないくらいには壊れてしまっています(笑)

 

林業が現役の頃はロープウェイもあったんでしょうけど、麓との標高差がずいぶんあるところまで来て仕事をしていたんですねえ。

(09:46)

 

 

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水平道に乗って歩くのは造林小屋跡で終わり。

小屋跡周辺にはワイヤーやらレールやら車輪やら、たくさん転がってました。

 

鉱山跡は足尾銅山佐渡金山のように史跡化して当時の様子を今に伝えていますが、林業のこういった施設はまったくそういうのがありませんね。

僕にはまったく想像の付かない当時の雰囲気…。

(10:10)

 

和名倉山二瀬尾根で一番分かりにくい箇所はここ、造林小屋を過ぎてすぐの沢沿いに曲がるところでしょうか。

水平道自体は先へ進んでいましたが、登山道は沢筋に沿って進みます。

道標やリボン等は無かったと思うので、ここさえ知っておけば、って感じです。

 

 

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標高1700mくらいで広葉樹林から奥秩父らしい苔と針葉樹林の世界へ。

ついでに雲の中にも突入してしまいました。

が、どうせ展望もないのであまり気にならず(笑)

(11:27)

 

 

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標高1955m、北ノタルを過ぎると急に雰囲気が変わって苔に覆われた世界に。

ここを歩けただけで、地味だと思っていた和名倉山に来た甲斐があるってもんです。

しかもこんな景色がしばらく続くんだからびっくり、今まで見た苔の森で一番もこもこでした。

(11:57)

 

 

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二瀬分岐からは実線ルート、山梨からの登山道と合流して和名倉山の山頂へ。

山頂は真っ平、しかも展望もなく、かなり地味でした。

いいんです、この山はこれで。

(12:19)

 

 

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青空が覗きはしてたんです

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面方又川

山頂から二瀬分岐へ戻り尾根を稜線を南下、奥秩父主脈へ向かいます。

さっきまでの苔の世界はどこへやら、カラマツと笹の明るい雰囲気な森を歩きます。

 

ここの山はワイヤーやらレールやら、看板までめちゃくちゃ古そうなんですが、どこかに遺跡でもありそうです(笑)

(12:50)

 

 

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唐松尾山方面

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次のピーク、東仙波に近づくにつれて岩が稜線に張り出す箇所が増えて、ちらほら展望が開けるように。

そんな岩の稜線には奥秩父と言えば、なシャクナゲもほぼ見頃!

あと1週経てば蕾もみんな開きそうなくらいでした。

(13:26)

 

 

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展望のある東仙波のピークがこの日の一番の楽しみでしたが、それより前もこんなに開けてたなんてなんだかラッキー、

と思いながら基本樹林帯の稜線を歩き進み。

アップダウンはあるものの、がっつり上り下りはせず標高1950mくらいを行ったり来たり、しかも道は小さいピークを巻きつつ進めるのでペースはよかったです。

(13:31)

 

 

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ここだけ笹原の稜線なんですが

東仙波に到着。

雲に包まれつつたまに晴れたりするので期待しつつ、遠くまで望めるとは思っていませんでしたが、まさかの雲の中…。。

出発前はここから富士山を見るのを楽しみに登ってたのですが、まさかこんな天気だとは。

ここまで思ってたよりいい尾根歩きでしたし、何より雨が降ってきたのでささっと先へ進みます。

(13:50)

 

 

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シャクナゲのつぼみってこんななんでしたっけ?な一枚。

よく行く北関東の中央分水嶺の山々ってあまりシャクナゲが生えていないので、花を見ることは意外となく、つぼみを見るのは新鮮でした。

(14:16)

 

 

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左は竜喰山、鞍部が将監峠

尾根最後のピーク、リンノ峰を巻いた先の笹原を歩いていると雲が取れそうな雰囲気だったので腰を掛けると、すぐに視界が広がってくれました!

周りは相変わらず雲の中だったので遠くが眺められるわけではなかったですが、本日の宿泊地、将監峠が見られて満足。

というかここから将監峠まで西側からぐるっと回りこむとは思わず、地図を見てびっくり、結構遠回りです。

(14:47)

 

 

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山の神土に到着、ここからは奥秩父主脈!

そして埼玉の山梨の県境なんですが、道標は東京都水道局でした。

多摩川の源流ということで整備してるんでしょうが、さすが東京都!

埼玉の水道局がこういうのやってたらびっくりします(笑)

 

リンノ峰から山の神土までのトラバース道はあまり歩きやすくなく。

土が流れて道を付け替えたりされてましたが、笹が結構元気でした。

(15:17)

 

 

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水場

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小屋内部の様子

将監峠から少し標高を下げて、防火帯の中?にある将監小屋に到着!

小屋番さんは不在で、入口にある箱にテント代1000円を入れるようになってました。

水場は豊富に出てて、トイレはテント場横にあるバイオトイレを使えます。

トイレは無臭と言っていいほど綺麗でした。

(16:14)

 

 

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テントを張って、17時まではテント内でぐだぐだ。

そこから夕食を準備して。

テント場からは雲海になりそうでならない、雲と横並びな景色でした。

 

今回は紙皿を忘れてしまいコッヘルを拭くのが面倒で。。(笑)

(18:34)

 

19時には就寝。

コースタイム9時間10分をテント泊装備はなかなかにハードでした、シュラフに入ったらすぐに寝てしまい。

標高1750mでは冷えるかと思い足元にホッカイロを入れて寝たら23時ごろに暑くて起きるくらいに暖かく、ぐっすり寝れました。

 

秩父の二百名山、和名倉山は奥秩父らしさ抜群のいい山でした。

北ノタルあたりの苔の森はほんと見事で、これだけのために来る価値があると思います。

ただ標高差はとんでもなく…二瀬尾根だと1500m差になるので、日帰りルートとしてはかなりがっつりな行程です。

百名山だけあって日曜日でも10人くらいには会いましたが、日帰りの方は少なく、メインは泊まりのようでした。

翌日は奥秩父主脈の縦走、今回のメインです。

それではまたー!

 

山行時間…7:22

歩行距離…16.68km

消費カロリー…2859kcal

獲得標高…↑ 1824m ↓ 679m